「おまえほどの男、殺すには惜しい」と父に言われた敵国の王子の妻になりました
彼はその名に、かすかに反応し、ゆっくりと顔を向けた。
そして、私に向かって──微笑んだ。
けれどそれは、誰が見ても作り物とわかる笑顔だった。
瞳は笑っていない。
どこまでも暗く、乾いた光が宿っている。
「……リシェル。似合いそうだな、あのドレス。」
そう言って、彼はドレスを一瞥した。
でもその目には、何も映っていない。
私は、何も言えずに彼の隣に腰を下ろす。
重い沈黙が、また部屋に落ちる。
「……おまえは、この結婚で幸せになれると思うか?」
ゼインの呟きに、私は心臓を強く握られた気がした。
「それでも、私はこの国の娘。運命に従う覚悟はある。」
「運命……か。」
ゼインは自嘲気味に笑った。
「だったら俺は……運命に殺されるんだろうな。」
私は、彼の包帯の巻かれた右手をそっと取った。
その手は、熱く、荒れていて、震えていた。
そして、私に向かって──微笑んだ。
けれどそれは、誰が見ても作り物とわかる笑顔だった。
瞳は笑っていない。
どこまでも暗く、乾いた光が宿っている。
「……リシェル。似合いそうだな、あのドレス。」
そう言って、彼はドレスを一瞥した。
でもその目には、何も映っていない。
私は、何も言えずに彼の隣に腰を下ろす。
重い沈黙が、また部屋に落ちる。
「……おまえは、この結婚で幸せになれると思うか?」
ゼインの呟きに、私は心臓を強く握られた気がした。
「それでも、私はこの国の娘。運命に従う覚悟はある。」
「運命……か。」
ゼインは自嘲気味に笑った。
「だったら俺は……運命に殺されるんだろうな。」
私は、彼の包帯の巻かれた右手をそっと取った。
その手は、熱く、荒れていて、震えていた。