Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
控え室に入ると、早速衣装に着替えた。
今夜はラメ入りのブラックのタイトドレス。
小夜が持っている中で一番大人っぽい衣装だった。
ノースリーブで背中も大きく開いているが、胸元はドレープで覆われて、ピアノを弾いてもはだけたりしない。

「うーん、髪型はどうしようかな」

光にお子さま扱いされるのは悔しく、夜会巻きにしようかとも思ったが、さすがに背中の露出が多すぎる。
結局ヘアアイロンで毛先を巻き、ハーフアップにしてからラフにほぐした。
鏡の前で身体をひねってチェックする。
髪は肩甲骨まで隠れる長さで、これなら大胆すぎないと頷いた。

「準備オッケー。あとは、なにを弾こうか考えておこう」

タブレットの楽譜データを見ながらあれこれ考えてみたが、光がいるからといって背伸びをしてもいいことはない。
いつも通りの演奏をしようと思い直した。
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