Blue Moon〜小さな夜の奇跡〜
毎日そんな調子の二人に、店長がニヤニヤしながら尋ねた。
「ね、小夜と光くんってつき合ってるの?」
「そうっすよ」
バカ!と小夜は慌てて否定する。
「まさかそんな。違いますよ」
「別にいいじゃん。つき合ってるように見えたらつき合ってるで」
「よくない! 私はもっと真面目な性格なの」
「小夜、誰か好きなやつでもいるのか?」
「いないけど……。でもだからって、つき合ってもない人と噂になるのは嫌」
「ふーん、変なの」
「どこがよ!?」
すると光は、グイッと顔を寄せてきた。
「じゃあさ、たとえばよ? 『小夜ってA子ちゃんと仲いいよね。友だちなの?』って聞かれたとするよ」
「誰? エイコちゃんって」
「いや、たとえばだから。でさ、そう聞かれたら小夜は今みたいに必死で否定するわけ? まさかそんな、違います! って」
「本人の前なら、それはさすがに失礼でしょ」
「ちょっと! 今まさに俺に同じセリフを言っといて、なにを言う」
「彼氏と友だちは、重みが違うもん」
「それがわかんない」
そう言うと光は両腕を組む。
「友だちと比べて、恋人になる時のハードルが一気に高くなるのはなんで? 別にいいじゃん、軽くつき合い始めれば。上手くいくかどうかなんて、実際につき合ってみないとわかんないでしょ?」
「それはまあ、そうだけど」
「他に好きな人がいるんなら断るのもわかるよ。けどそうじゃないなら、なんで断るのか意味不明」
「うーん、一人になりたいから、とか?」
「修行僧かよ!? それにさ、友だちは『俺とお友だちになってください、お願いします』とかって言わなくても自然となってるもんだろ? それなら恋人もそれでいいじゃん」
「えー、お友だちから始めましょうってパターンもあるよ?」
「小夜、婚活パーティーに行き過ぎ」
「行ってないわよ!」
まあまあと、二人の間に店長が割り込んだ。
「仲がいいのか悪いのか……。どっちでもいいけどさ、仕事ではちゃんと協力し合ってよね」
はーい、と二人で返事をする。
小夜は早速、光に指示した。
「じゃあ光くん、そのおっきなダンボールあっちに運んで」
「おい、協力し合うんじゃないのかよ」
「あら、あなたアメリカ帰りでしょ? 向こうでは女子に力仕事させて平気なの? 男がすたるって白い目で見られるわよ?」
「ここ日本だし」
「ヘリクツ!」
こーら!と、またしても店長が遮った。
「まったくもう。中学生みたい」
両手を腰に当ててため息をつく店長の視線の先で、小夜と光は小突き合いながらダンボールを運んでいた。
「ね、小夜と光くんってつき合ってるの?」
「そうっすよ」
バカ!と小夜は慌てて否定する。
「まさかそんな。違いますよ」
「別にいいじゃん。つき合ってるように見えたらつき合ってるで」
「よくない! 私はもっと真面目な性格なの」
「小夜、誰か好きなやつでもいるのか?」
「いないけど……。でもだからって、つき合ってもない人と噂になるのは嫌」
「ふーん、変なの」
「どこがよ!?」
すると光は、グイッと顔を寄せてきた。
「じゃあさ、たとえばよ? 『小夜ってA子ちゃんと仲いいよね。友だちなの?』って聞かれたとするよ」
「誰? エイコちゃんって」
「いや、たとえばだから。でさ、そう聞かれたら小夜は今みたいに必死で否定するわけ? まさかそんな、違います! って」
「本人の前なら、それはさすがに失礼でしょ」
「ちょっと! 今まさに俺に同じセリフを言っといて、なにを言う」
「彼氏と友だちは、重みが違うもん」
「それがわかんない」
そう言うと光は両腕を組む。
「友だちと比べて、恋人になる時のハードルが一気に高くなるのはなんで? 別にいいじゃん、軽くつき合い始めれば。上手くいくかどうかなんて、実際につき合ってみないとわかんないでしょ?」
「それはまあ、そうだけど」
「他に好きな人がいるんなら断るのもわかるよ。けどそうじゃないなら、なんで断るのか意味不明」
「うーん、一人になりたいから、とか?」
「修行僧かよ!? それにさ、友だちは『俺とお友だちになってください、お願いします』とかって言わなくても自然となってるもんだろ? それなら恋人もそれでいいじゃん」
「えー、お友だちから始めましょうってパターンもあるよ?」
「小夜、婚活パーティーに行き過ぎ」
「行ってないわよ!」
まあまあと、二人の間に店長が割り込んだ。
「仲がいいのか悪いのか……。どっちでもいいけどさ、仕事ではちゃんと協力し合ってよね」
はーい、と二人で返事をする。
小夜は早速、光に指示した。
「じゃあ光くん、そのおっきなダンボールあっちに運んで」
「おい、協力し合うんじゃないのかよ」
「あら、あなたアメリカ帰りでしょ? 向こうでは女子に力仕事させて平気なの? 男がすたるって白い目で見られるわよ?」
「ここ日本だし」
「ヘリクツ!」
こーら!と、またしても店長が遮った。
「まったくもう。中学生みたい」
両手を腰に当ててため息をつく店長の視線の先で、小夜と光は小突き合いながらダンボールを運んでいた。