策士の優男はどうしても湯田中さんを落としたい
「──秘密。」とだけ言った祐に、楓はいたずらっぽく笑った。

「なぁーんだ、祐くん、うちのお姉ちゃんのこと気になってるじゃん、好きなんじゃん♪」

祐は一瞬、言葉に詰まった。

「…なんでそう思う?」

「だって、“秘密”って顔してなかったもん。顔に出てるよ。」

楓はニヤリとしながら身を乗り出す。

「じゃあ、会社にはばらさなさそうだな♪」

祐は軽く笑いながらも、目が鋭くなる。

祐はしばらく黙ってから、低い声で言った。

「俺を脅しているつもり?」

「違うよ〜。たださ、祐くんがお姉ちゃんのこと好きなら、会社には言わないんじゃない?って思っただけ♪」

楓は無邪気にウインクしながら言う。

祐は微かに笑みをこぼし、グラスを軽く揺らした。
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