砂漠の王に捧げる夜 ―ただひとときでも、あなたの愛を―
胸の奥が、じんと熱くなる。

たった一言で、すべてが報われた気がした。

「でもっ……侍女が王陛下の周りをウロウロするなんて!」

ライラ様の声が、少し高くなった。

「ナディアは、ユリーナの侍女だった。俺の周りにいることだってある。」

その言葉に、胸がぎゅっとなる。

――守られている。

私は今、あの方の言葉に抱きしめられている。

「では、ナディアをユリーナ様の代わりにするおつもりですか?」

ライラ様の問いに、私は息をのんだ。

「そんなことはない。」

王はきっぱりと答えた。

少しだけ、寂しくなった。

でも、それが本当でなければいけないのだと、自分に言い聞かせた。

「では、なぜ……?」

ライラ様が声を震わせた。

「王陛下は、一年もの間、私たちを放っておくのですか?」

その場に、重い沈黙が落ちた。

妃たちの言葉は、王の胸に突き刺さるように響いた。
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