Still In Love
 週末で賑やかな歓楽街とはいえ、夜道でコンタクトを落とすなんて、ついていないと思いながら、一生懸命探した。
 スギヤマも一緒に探してくれているが、
「やば⋯⋯ナミ、ごめん!」
 急にそんなことを言い、何のことかと思ったら、私のコンタクトは、彼の足の下で割れていた。
「あー⋯⋯もう、サイアク!」
 ますます機嫌が悪くなる私。
「ごめん!弁償するから」
「その必要はないわ。現物があれば、無料で交換してもらえるし」
 そうは言っても、私の機嫌はどんどん悪くなる一方。
 ド近眼で、乱視も酷いので、片目だけしか見えていないと、なんとも気持ち悪い。
「ほら⋯⋯」
 スギヤマに、さりげなく手を引かれる。
「もう片方も外して眼鏡にしたいんだろ?危ないから、洗面所まで一緒に行こう」
 そういうところは、ちゃんとわかってるのよね⋯⋯。なんとも複雑な気持ちだ。
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