色褪せて、着色して。~番外編~
 国王は謎に満ちた人である。
 立場上、人前に顔を見せることはなく、人前に現れる時はニセモノだいう噂が流れるほどだ。
 徹底した秘密主義で、国王の素性を知るのは肉体班でも限られた人のみだという…
「おまえのような人間は、騎士に向いてる」
「え、あ、はい?」
 突然の誉め言葉にスズメは喉から変な声を漏らしてしまう。
「おまえの父親や兄が腐りきっているのはわかってる。なのに、俺は何もしなかった」
「陛下、どうされてんです?」
「……」
 スズメの前に立つ鎧兜の男は、微笑んだ。
 多くは語らなかったが、
 スズメは初めて。
 心から初めて。
 国家騎士になって良かったと、思ったのだった。
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