色褪せて、着色して。~番外編~
 人生で初めての告白は、初めから叶わない恋だった。
 それでも、言わないよりかは言っておきたかった。
「……」
 後ろに立っているトペニは黙り込み、
 奥に立っているバニラは「まぁ…」と声を漏らした。
 普段から大きいと感じるマヒルの目はもっと大きく見開いている。
「あの・・・」
「いえ、わかってます。返事はいらないです」
 マヒルの返事を聞く前に、ナズナは止めた。
「わかってます。本当にわかっていて身の程しらずで…でも、僕。もうすぐここからいなくなります」
「えっ…」
「僕とデートしてください」
 ナズナは右手を差し出して、勢いよく頭を下げた。
 本当に身の程知らずの人間だと自分で感じている。
「ごめん。太陽様に悪いからナズナ君とはデートはできない」
 降ってきた言葉に、ナズナは落胆する。
「すいません。お時間取らせてしまってごめんなさい」
 涙腺がじわりと弱まったところで。
 どうなるわけではない。
 再度、頭を下げた。
「デートは出来ないけど、お散歩に付き合ってくれるかな?」
 マヒルはかがんで、ナズナの手を握った。
 マヒルの手は酷く冷たかった。
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