色褪せて、着色して。~番外編~
「ちょっと着替えてくるから、トペニ。ナズナくんの相手してて」
 そう言ってマヒルは階段を駆け上がる。
「わたくしも準備がありますので」
 バニラもいなくなる。

「ふああ…」
 緊張で足の力が抜けたナズナは、その場にしゃがみ込んだ。
「言えた…吐かなくてよかった」
 目に溜まっていた涙を指で拭った。
 もう一生、この先。こんな勇気を出すことはないと思った。

「ナズナ、おまえ。かっこいいな」
 すっかり存在を忘れていたトペニの言葉に。
 ナズナは「別に…」とうつむいた。
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