AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。

　ぼうっと温風を当てていると、頭の中に昼間の言葉がまた浮かんでくる。今日小野寺に言われたことや佐伯に言われたことを何度となく反芻した。

　——「けどなんか、四ノ宮のほうでも、久々津さんのことを意識してるんじゃないかなぁって」

　——「四ノ宮チーフ……もしかして、彼氏、ですか？」

　ふいに「ママー」と呼ばれて、ハッとする。宝瑠はドライヤーを片付けて、「はぁい」と返事をした。

　日葵の部屋へ足を向けた。その際、ソファに座る天喜と目が合い、「寝かしつけたら、私も寝るわね？」と声をかけた。

　天喜は「おやすみ」と素っ気なく言い、仕事部屋に向かった。

　日葵に絵本の読み聞かせをしながら、頭の中では天喜のことばかり考えていた。やがてうとうとと舟を漕ぎ、日葵が小さな寝息を立て始めた。

　宝瑠は、天使のような寝顔を見つめ、日葵の頭をそっと撫でた。肩まで布団を被せて、一度部屋を出て行った。片方の手にはスマホを握っていた。

　本来なら今日、小野寺と話し合ったことを元に、天喜に尋ねるつもりでいた。まだ赤ん坊だった日葵がどこの施設に預けられていたのか、聞き出そうと思っていた。

　けれど、今の心の状態を思うと、とてもそんな気分にはなれない。