AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 どこかへ遊びに行けなくても、ちゃんとご飯は食べれるし。
 月に一度、お小遣いだってもらえるし。
 親が学校に来れなくても、うちは仕事で忙しいからって。先生も友達も理解してくれてるし。
 うちはうち、他所はよそ。

 ちゃんとわかってる。仕方のないことだって。

 そんなふうに自分を納得させてきた。

 それでも、思わずにはいられなかった。
 無償の愛ってなに?
 母性本能って、母親なら当然持ってるものなの? って。

 私はまだ、その答えには辿り着いていない。
 多分これから……知っていくのかもしれない。

「久々津さん」

 妙子が静かに語りかけた。宝瑠は暗い思考から抜け出し、また聞き耳を立てた。

「娘を……宝瑠のことを、今後もお願いできますか?」

 妙子の声は、胸に迫る切実さを帯びていた。宝瑠は無意識に心臓部を握りしめ、小さく震える唇を噛んだ。

「……ええ、もちろんです」

 天喜が穏やかな声で応える。

「日葵もそうですけど……。僕自身が彼女を必要としているので」

 ふいに目頭が熱くなった。

 天喜の言葉が本心から出たものかどうかなんて、わからない。

 今回、一時的に彼氏のふりをしているだけだから。場を取り繕うための体裁に過ぎない。昼間に言った、嘘っぽい褒め言葉と一緒。

 そう頭では理解しているのに、どうしてこんなにも胸を打つんだろう。

 ——ねぇ、天喜。
 私のこと、いったいどう思ってるの?

 込み上げる熱をどうにか押し殺し、宝瑠は意を決して襖を開けた。
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