AI生成でママにされた私は、シングルの年下クズ男子に再構築されています。
 天喜の笑顔、自分を呼ぶときの声のトーン。寝ても覚めても、頭の中には彼のことばかりが浮かんでいた。

 優しくされれば期待してしまう。
 以前の、ぶっきらぼうで無愛想な態度のほうが、まだ気持ち的には楽だった。

 これ以上好きになったら、もう自分を抑えられなくなる。伝えたくなる。けれど、伝えたところで、彼に届くはずがないこともわかっている。

 心の奥で、宝瑠の葛藤が渦巻いた。

 もし——いっそのこと、天喜に抱かれてしまえば、この気持ちを隠さずに打ち明けられるだろうか。

 そのとき、天喜はどう反応するだろう? 困る? それとも、少し苦笑して受け止めてくれる?

 彼に好かれる、なんてことは……。容易いことではない。

 天喜は、これまで辿ってきた人生のせいで、体は許しても心を預けることはしない人だ。他人を真っ向から信用することに、恐れを抱いている。

 だからこそ、両思いには、きっとなれない。
 好かれたいけれど……欲張ってはいけない。

 たびたびそんなふうに思い、宝瑠は自分の心を戒めた。


『期待したらいけないってわかってるんだけど。天喜を想う気持ちが自分でも制御できてない気がして……ねぇ、テルナはどう思う?』

 午後八時半を過ぎたころ、日葵を寝かしつけた宝瑠は、リビングでひとり、スマホを眺めていた。

 ここのところ、家族としての時間に充実感を得ていたため、チャットアプリの『Su-nao』を開くのは、かなり久々になっていた。
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