優等生のくせに、俺のマンガにだけは赤面する
高原は、いわゆる“マンガ馬鹿”だ。

授業中も読んでるし、休み時間にはマンガを描いてる姿を見たこともある。

授業中に先生に取り上げられて、クラスが爆笑した日もあったっけ。

俺とは、たぶん、一番遠いタイプの人間だ。

「ねえ木崎ってさ、どんなマンガ読むの?やっぱ歴史モノ?てか読まない?ガリ勉だし」

「……読まない。というか、今は数学をしてる。帰れ」

「やなこった!」

そう言ってニヤッと笑ったこいつを見て、

俺の胸が、なぜか妙にざわついた。

――なぜ、こいつは俺の平穏な放課後に、当たり前のように入り込んでくるんだ。

そして、なぜ俺はその顔を見て、追い返せなくなるんだ。

「漫画の、どこがそんなに面白いんだ?」

俺がそう問いかけると、高原は一瞬キョトンとした顔をして、それから――にっと、少年みたいな笑顔を浮かべた。

「え、今さらそんなこと聞いちゃう?」
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