15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「はい、橘ひよりです」

私は彼に向かって、にっこりと笑ってみせた。

すると彼も、安堵したように微笑み返してくれた。

――この瞬間、ようやくきちんと「はじめまして」ができた気がした。

「本当に助かった。ありがとう」

彼は、ベッド脇で深く頭を下げた。

大人の男が真剣に頭を下げる姿は、少し戸惑うほど誠実だった。

「いえ、私が勝手にしたことなので……」

そう答えると、彼は顔を上げて、まっすぐに私を見た。

「でも、それで俺の命は救われた。俺は……君に、どれだけ感謝しても足りない」

その言葉を聞いて、胸の奥がじんわり温かくなる。

この人はきっと、ちゃんと筋を通す人なんだ。

上からでもなく、当たり前でもなく。

ただ、真っ直ぐに「ありがとう」と言える人。

――優しい人だな。そう思ったその時だった。

「ええっと……ひよりさん。今後のことだが……」
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