15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
家の前に着くと、玲央さんはタクシーを降りて、私の隣に立ってくれた。

夜の静けさの中、少しだけ照れくさく顔を見合わせる。

「おやすみ、ひよりさん。」

「おやすみなさい。」

その言葉だけで胸がいっぱいになる。

こんなふうに、顔を見て挨拶できる関係になるなんて、あの日までは想像もしていなかった。

玲央さんが、ふと優しい目を向けた。

「ひよりさんと出会えてよかった。」

その言葉に、一瞬だけ呼吸が止まる。鼓動の音だけがやけに響いた。

「俺のこと、こんなに好きになってくれる人、今までいなかったから。」

そして玲央さんは、私の頬にそっとキスをくれた。

あたたかくて、やさしくて、涙が出そうになった。

やがてタクシーは夜の街に消えていった。私は一人、玄関の前で立ち尽くす。

――幸せって、こういうことなんだ。
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