15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
小さな声で、でも真っ直ぐにそう言った。

玲央さんは、少し驚いたように目を丸くしてから、ゆっくりと微笑んだ。

「ありがとう。その気持ち、大事にする。」

その笑顔を見て、私はそっと胸に手を当てた。

この恋が、どうか終わりませんように——。

私たちは美術館を出て、カフェでのひとときを終えた後、エントランスホールへと向かった。

その時だった。角を曲がった瞬間、小さな体とぶつかってしまった。

「わっ、ごめん、僕……!」

慌ててしゃがみ込むと、目の前の男の子が素直に頭を下げた。

「ぼくこそ、ごめんなさい。」

その瞳を見た瞬間、私はふと足を止めた。

どこかで見たような、澄んだ瞳。形の良い眉、すっと通った鼻筋。

「ひより?」

少し後ろから玲央さんがやってきた。

「子供にぶつかっちゃって……ごめんね、びっくりさせちゃったね。」
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