15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「……彼女?」

玲央さんは、少し照れたように頷いた。

「うん。結婚前提で付き合ってる。」

その言葉が、胸の奥にじんわりと響いた。誇らしくて、くすぐったくて、でもどこか不安も混じっていた。玲央さんが誰かの前でそう言ってくれるなんて、初めてだった。

「そう……」

萌音さんの声は、かすかに震えていた。

次の瞬間、ぽろりと涙が零れ落ちる。

「どうした?」

玲央さんが一歩踏み出す。

「ごめんなさい。あなたには、話さないでおきたかったんだけど……」

萌音さんの声は震えていた。そのまま彼女は、ためらうことなく玲央さんの胸に飛び込んだ。

「結婚なんてしてないの。」

「……え?」

玲央さんの声が低く揺れる。

「玲音は……」

その名前に、私は無意識に子供の方へ視線を向けた。

無邪気な笑顔で、母親の姿を見つめている。何も知らずに。

「……あなたの子供なの、玲央。」
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