15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
私の背筋を冷たいものが這った。

時間が止まったようだった。

「……萌音……本当なのか?」

玲央さんは、萌音さんの肩に手を置き、ゆっくりと距離を取った。

その顔には、驚きと戸惑い、そして責任を感じ取ろうとするような深い影があった。

でも、否定の言葉は──どこにもなかった。

私の中にじわじわと広がっていく、何とも言えない感情。

それが嫉妬なのか、不安なのか、ただの驚愕なのか。

分からなかった。

ただひとつ、確かなのは……玲央さんの過去に、私の知らない“真実”があったということだった。

車に戻ってきた玲央さんの表情は、さっきまでの穏やかさとはまるで別人だった。

「玲央さん……」

私が声をかけると、彼は無言で運転席に腰を下ろし、俯いたまま動かない。やがて震える肩から、ぽろりと涙が落ちた。

「ごめん、ひよりさん……」

その声は、悲しみと後悔で掠れていた。
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