15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「あなたね。」

萌音さんが低く言って、テーブル越しに身を乗り出す。

「玲央がどんな気持ちで決断したか、分かるの?」

「分かりません。」

私は正直に答えた。嘘なんて言えなかった。

「でも……玲央さん、ずっと苦しそうです。目を逸らしてばかりで、私を見てくれない。笑ってないんです。結婚する人の顔じゃない……」

言葉が詰まった。けれど、それが私の本音だった。

すると、玲央さんがゆっくり顔を上げた。その目は、涙をこらえるように潤んでいて、迷いを滲ませていた。

「ひよりさん……」

その一言に、心臓が大きく跳ねた。

私はまだ――あきらめたくなかった。

玲央さんの、本当の気持ちが知りたかった。

私は、手のひらをぎゅっと握りしめ、思い切って言葉を口にした。

「DNA検査を、要求します。」

その瞬間、テーブルの空気が凍りついた。

萌音さんの瞳が見開かれ、信じられないものを見るように私を睨んだ。
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