15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「……けっこん?」

私は、思わず言葉を復唱した。声が上ずるのを、自分でも止められなかった。

萌音さんは、玲音君を膝に抱いたまま、まっすぐ私を見ている。

「玲音のためにも、形だけでも家族になろうって話したの。もちろん、玲央だって迷ってた。でも――」

「やめてくれ、萌音。」

玲央さんが遮るように言った。

「それを、ひよりさんの前で言うのは……違うだろ。」

だが、もう聞いてしまった。

もう、戻れない。

私はただ、小さく笑った。

「……そうですか。ご家族になるんですね。おめでとうございます。」

自分でも、なぜそんな言葉が口から出たのか、わからなかった。

でも、涙が零れそうになる前に、せめて最後のプライドだけは守りたかった。

「本当に玲央さんは、それでいいんですか?」

たまりかねた私は、問いかけていた。言ってはいけないのかもしれない。でも――どうしても黙っていられなかった。
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