15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
それからDNA検査の結果が出たと聞いて、私はその場に同席させて貰った。

静まり返った会議室の中、書類を差し出したのは一ノ瀬海さん。玲央さんの弟で弁護士だった。

「こちらが、DNA鑑定の結果です」

海さんの声は冷静だったが、テーブルに置かれた一枚の紙が、場の空気を凍らせる。

私も玲央さんも、その文字を見逃さなかった。

《一ノ瀬玲央氏との父子関係は認められません》

萌音さんは唇を震わせながら、うつむいたまま答えない。

弁護士である玲央さんの弟・海さんが、静かに説明を続けた。

「鑑定の結果、玲音君は兄さんの実子ではないと判明しました。」

「……どういうことだ?」

玲央さんの声が震えていた。怒りとも、困惑ともつかない感情が滲んでいる。

対面に座る萌音さんは、紙を見ようともしない。視線は逸れたまま、唇を噛みしめていた。

「萌音……答えてくれ。玲音は、俺の子じゃないのか?」
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