15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「え? 何か言いました?」

わざとらしく聞き返すと、玲央さんは頬をかすかに赤くしながら片手で私の頭をぽん、と撫でた。

「いや、可愛いなって思っただけ。」

「……それ、ずるいですよ。」

助手席の私は、思わず胸の奥がぽっと熱くなるのを感じた。

黒猫のマグカップ――明日の朝は、二人で使おう。

なんでもない今日の記念みたいに、ちょっと特別な朝にするために。

そして久しぶりにさくらと誠一と、ランチを食べた。

「そう言えばひより、この前、彼氏の誕生日だったんでしょ?」

さくらが、スプーンを口に運びながら言った。

「うん。彼氏の家に泊まっちゃった。」

私がさらりと答えると、誠一の手がピクリと止まった。カレーのルーが今にも皿の外にこぼれそうになる。

「……いいなぁ。」

ぼそっと呟く誠一の声は、カレーの湯気にかき消されそうなくらいかすれていた。
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