15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「君のお友達、さくらちゃんだっけ?」

「うん……えっ?」

その名前に思わず眉をひそめる。

どうして今、さくらの話?

「この前、俺のところに来たんだ。」

「……えっ⁉」

声が裏返る。

さくらが? 玲央さんに? どうして──?

「ひよりの将来を潰さないでくれって、お願いされた。」

その言葉が、胸に冷たく突き刺さった。

私は一瞬、息ができなくなって、言葉が出なかった。

「……なんで、そんなこと……」

さくらは、私のために?

それとも──私が“夢を諦めようとしていること”が、彼女にはそう見えた?

玲央さんは静かに私を見つめた。

「驚いたよ。いきなり来て、丁寧に頭を下げられてさ。君が、昔からどんな夢を持ってたか、どれだけ本気だったか。いろいろ話してくれた。」

私は、膝の上で手をぎゅっと握りしめた。

さくらは、私よりも、私の夢を覚えていてくれた。
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