15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
その言葉が、やけに遠くに聞こえた。

それは、きっと昔の私。

今の私は、誰かと一緒に未来を歩く選択を、無意識に優先してしまっていたのかもしれない。

さくらは続けて言う。

「本当にそう思ってるならいいけど……なんか、誰かに合わせてない?」

その「誰か」が誰かなんて、言わなくても分かっていた。

私は曖昧に微笑むことしかできなかった。

そしてその微笑みが、さくらとの距離を少しだけ広げてしまった気がした。

週末になり、玲央さんの家に泊まりに行くと、いつにもなく彼の顔が真剣だった。

「ひより。こっちおいで。」

ソファに座る彼に手を引かれて、私は当然、膝の上にでも抱き寄せられるのかと思った。

けれど、玲央さんは私の手を軽く握っただけで、少し間をとって隣に座らせた。

いつもの余裕ある微笑みはなく、どこか考え込むような表情だった。
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