15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
その言葉に、心がふわっとほどけた気がした。

自分でも気づかぬうちに、私は彼の“優しさ”に甘えて、どこかで自分を小さくまとめようとしていた。

でも彼は、私の小さな言い訳を優しく壊してくれた。

「ありがとう……玲央さん。」

涙が滲みそうになるのを、必死で堪えながら、私は彼の手を握り返した。

この人となら、きっと未来を恐れずに進んでいける。

夢も、恋も、きっと──手放さなくていい。

しばらくして、カレンダーを見ていたときだった。

ふと、あることに気づいた。

「……生理、予定日を過ぎてる。」

小さく呟いた声が、部屋の静けさに吸い込まれる。

あまり遅れることなんてなかった。むしろ、毎月ちゃんと来ていたはずなのに。

まさか──妊娠?

その瞬間、背中がゾクッと冷たくなる。

胸が早鐘のように打ち始め、手のひらが汗ばんでくる。
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