15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜

第10章 15歳差の恋、いま永遠になる

この日は、さすがの玲央さんも緊張していた。

「だいぶ固くなっていますね。」

助手席でそうからかうと、玲央さんはふっと息をつきながらハンドルにもたれかかる。

「そりゃあそうだろ……」

ネクタイを少し緩めながら、鏡越しに自分の表情を確認する。

その顔には、いつもの余裕はなくて、どこか少年のような不安が混じっていた。

「15歳も上の男が、大学生の娘と結婚したいって言うんだ。……緊張しないほうが不自然だよな。」

その言葉に、私は小さく笑ってしまった。

普段あんなに頼もしい人なのに、今日はまるで私より年下に見える。

「でも、大丈夫。玲央さんがどれだけまっすぐな人か、ちゃんと伝わるよ。」

私がそう言うと、玲央さんは小さく目を細めた。

「……ありがとう。俺、ほんとにひよりに出会えてよかった。」

「うん。私も。」

手を重ねると、玲央さんの手は少し汗ばんでいて、ほんの少し震えていた。
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