15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
そして、お父さんが座布団に腰を下ろしたその瞬間だった。

玲央さんは、すっと座布団を引き寄せ、きちんと正座をすると、深く頭を下げた。

「お父さん、どうか──ひよりさんを、私にください。」

その声は、まっすぐで、揺るぎない決意がこもっていた。

胸の奥が熱くなる。私のことを、こんなにも真剣に想ってくれているんだと感じた瞬間だった。

……ところが。

「よろしく……お願いします。」

なぜか、正面にいる父も、玲央さんと一緒に頭を下げていた。

「……お父さん、頭を下げなくてもいいのよ。」

母がそっと小声で囁いたのが、妙に可笑しくて、私は口元を押さえる。

「いえ……」

父は顔を上げながら、しきりに額の汗をぬぐい、どこか気まずそうに言った。

「相手が“一ノ瀬”さんという名字だと聞いて、まさかとは思っていましたが……本当に、あの“一ノ瀬グループ”だったとは。」
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