15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
それでいて、思っていたよりずっと人懐っこい雰囲気を持った男性だった。

「一ノ瀬 晴臣と申します。玲央の父です。」

穏やかにそう名乗った彼は、手を差し出してくれた。

私は思わず立ち上がって、少し緊張しながら手を握った。

「はじめまして、橘ひよりと申します。今日は……ありがとうございます。」

「玲央の母です。」

ふわりとした淡いベージュのワンピースを着た女性が、優雅に微笑みながら近づいてくる。

玲央さんに似た、穏やかで上品な顔立ち。けれど、彼よりもずっと感情が柔らかくにじみ出ていた。

「弟の海です。」

隣から顔を出したのは、玲央さんよりもずっとラフな雰囲気をまとった青年。

くしゃっとした髪に、人懐っこい笑顔。スポーツ系男子、といった感じ。

「妹の瑞樹です。」

今度はスカートの裾をつまんで、はにかむように挨拶してきた可愛らしい女の子。

きっとまだ高校生くらいだろう。
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