15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「……そうですね。」

私は微笑んだ。

「でも、お二人とも優しいです。」

玲央さんは少しだけ目を見開いて、そして、照れたように目を逸らした。

「明日、退院だね。」

玲央さんの声は、いつもより少しだけ静かだった。

窓の外では夕焼けが広がり、部屋の中をオレンジ色に染めている。

「はい、お世話になりました。」

私はにこりと笑って答えたけれど、胸の奥に小さな寂しさが広がる。

玲央さんも、そんな気持ちを感じているのかもしれない。

少しの沈黙のあと、彼が口を開いた。

「明日……迎えに来てもいい?」

思いがけない言葉に、胸がきゅんと音を立てた。

一瞬、どう返していいかわからなくて――

「ええっと、一人で……」

「一人で帰るなんて寂しいじゃないか。」

玲央さんは、そう言ってやわらかく笑った。

その笑顔に、心がほどけていく。
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