15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
出会い。

じゃあ……

私との出会いは?

「玲央さんにとって、私との出会いは……」

続きが言えなくなって、言葉が喉に引っかかる。

そのとき、玲央さんの声が、静かに落ちてきた。

「ひよりさんとの出会いは、奇跡だよ。」

玲央さんの声は、まるで優しい風のように静かに降ってきた。

私は思わず顔を上げる。彼の瞳が真っ直ぐに私を見つめていた。

「もし、あの時。ひよりさんが助けてくれなかったら、俺……死んでたかもしれない。」

その言葉が胸に刺さる。私の中で何かがきゅっと締めつけられた。

「そんなの……嫌です」

気づいた時には、私は玲央さんの腕にしがみついていた。

彼の腕のぬくもりに、心がじんわりと溶けていく。

「ひよりさん?」

優しい声が耳元に触れる。

「私、あなたを助けられて、本当に……よかった。」

目が合った瞬間、玲央さんの瞳が微かに揺れる。その奥に、優しさと、何かを押し殺すような切なさが宿っていた。
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