15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「車に乗ろうか。」

「はい。」

アパートの前の道路には、昨日と同じ黒い車が静かに停まっていた。

「もしかして……運転手さんが?」

そう尋ねると、玲央さんは運転席のドアを開けながら、くすっと笑った。

「ははは。今日は俺が運転してるよ。」

助手席のドアを開けてくれて、私はそっと乗り込んだ。

「本当はね。事故があると大変だから、運転手付きでってお願いされてるんだけど。今日はどうしてもって言って、運転手を置いてきたんだ。」

「どうしても……?」

玲央さんはハンドルを握り、私の方をちらりと見る。

「君と二人きりになりたかったから。」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。

エンジンがかかり、車が静かに動き出した。

窓の外の景色が流れていくけれど、私は横顔を盗み見るばかりで、それどころではなかった。
< 61 / 297 >

この作品をシェア

pagetop