15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
目を覚ますと、病室は静まり返っていた。

窓の外は夜。カーテンの隙間から、かすかな街灯の明かりが差し込んでいる。

「んん……」

喉が渇いて、微かに声が漏れる。

ゆっくりと手元に視線を向けると、誰かの手が、私の手を握っていた。

温かくて、しっかりとした手だった。

その存在が、妙に心強かった。

「あの……」

声をかけると、その人はびくりと反応して目を開けた。

眠っていたらしい。

「あ……気がついたか」

それは、あの人だった。

紺色の傘に、グレーのスーツの――あの交差点で出会った人。

「はい……」と答えると、彼は一瞬だけ顔を伏せてから、右手で目元を拭った。

「……よかった」

「……?」

「俺を助けてくれた人が、死なないでくれて」

その言葉には、どこか深くて静かな想いがにじんでいた。

どう受け取ればいいのか分からず、私はただ見つめ返す。
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