15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「やつれたの間違いじゃねえの?」

からあげ定食を頬張る中野誠一が、苦笑まじりに言った。

彼は大学に入ってからの友人で、私のことを何かと気にかけてくれる。

「実はさ……好きな人に、振られて。」

言葉にした瞬間、胸の奥がちくりと痛んだ。

この二週間、まるで夢だった。

出会って、心が高鳴って、少しずつ距離が縮まった気がして――

でも、気づけば彼の背中を見送っていた。

「振られたって……いつの間にそんな相手が?」

さくらが目を丸くする。

「紹介も何もなかったじゃん。え、同じ学部?」

「ううん、全然違う人。社会人。ちょっと歳の離れた人で……」

「へえー。年上か。いくつぐらい?」

誠一がストローをくわえたまま、興味深そうに聞いてくる。

「十五歳……上。」

ふたりの手が止まった。

「マジか。」

「まさかのガチ大人じゃん!」

私は笑った。泣き笑いみたいな顔で。
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