15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ご足労いただいたのに申し訳ありません。」

受付の人の声は柔らかかったけれど、その丁寧さが、逆に心に染みた。

「……いえ、ありがとうございました。」

私は軽く頭を下げると、足早にロビーを後にした。

後ろから「ひより!」と呼びかけてくるさくらの声が聞こえたけれど、返事をする余裕もなくて。

ただ、握りしめたスマホが少しだけ熱を帯びていた。

…お願い、もう一度だけ、会いたい。

それでも、私はあきらめきれなかった。

広いロビーを見渡して、どこかに玲央さんがいるんじゃないかと目を凝らす。

まるで夢の中をさまようみたいに、人の波の中に答えを探していた。

そのとき――。

「君、誰を探しているの?」

低く落ち着いた声が背後から聞こえた。

驚いて振り返ると、制服姿の警備員が立っていた。

真面目そうな目がこちらを見つめている。

「えっ……あの……」
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