15歳差の御曹司に甘やかされています〜助けたはずがなぜか溺愛対象に〜
「ちょっと、警備員室に来てもらえるかな?」

「えっ⁉」

思わず声が裏返る。

次の瞬間、警備員の人が私の腕を掴んだ。

「どう考えても怪しいだろう。」

「ちょっと、待ってください! 私、そんなつもりじゃ――」

「抵抗するなら、警察を呼ぶぞ。」

「え……っ」

足元がふらつく。怖い。どうしよう。こんなつもりじゃなかったのに。

――さくら、どこ……!

「ひよりっ!」

その声が聞こえた瞬間、さくらが自販機の横から全速力で走ってきた。

「その子はストーカーとかじゃないです!本当に知り合いがいて!」

そのときだった。

私の肩がふいに、誰かの腕に抱き寄せられた。

「彼女は僕の客だ。」

優しく、でも毅然とした声。

顔を上げると――そこには、玲央さんがいた。

「れ、玲央さん……」

「遅れてごめん。車の中から見えてた。」

「……っ」

私は一気に胸が熱くなった。
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