私のテディベアに、私が溺愛されるまで
楓は一度だけでは満足せず、そっと角度を変えて何度も何度も唇を重ねた。

一朗は戸惑いながらも、どこに手を置けばいいのか分からずに動けなかった。

しかし、心の奥底では、必死に気持ちを伝えてくる姿が愛おしくなっていた。

……こんなに、好きを伝えてくる楓が、たまらなく可愛い……


楓はそっと一朗の胸に顔を埋め、小さな声で呟いた。

「……ずっと、こうしたかったんだよ」

一朗は驚いたように息を飲む。

「こうって……」

楓は少し顔を上げて、一朗を上目遣いで見つめた。

「一朗にくっついて、好きっていっぱい伝えて……」

恥ずかしそうに目を伏せながら、楓は続ける。

「一朗に、女の子として見られたかったんだよ」

一朗の喉が詰まるような感覚が走る。

「……見てるよ」

小さな声で、けれど確かに一朗は言った。

「お前のこと、女の子として……ちゃんと、見てる」

楓の頬がさらに赤く染まり、唇が震える。

「じゃあ……もっと見てほしい」

「……どうやって?」

一朗が少し苦笑混じりに尋ねると、楓はふっと微笑んだ。

「んー……もっとくっつくとか、キスしてくれるとか」

一朗は完全に固まり、顔を真っ赤にして言葉を失った。
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