私のテディベアに、私が溺愛されるまで
しんと静まり返ったダイニングで、しばらく箸の音だけが響いていた。
ふと、一朗が楓をじっと見つめる。
「……おまえ、シャツのボタン、開きすぎ」
「え?」
楓は自分の胸元を見下ろした。
白いブラウスのボタンが、二つ外れていて、鎖骨が大きく覗いている。
「無防備すぎだ。アホか」
一朗の声が少し低くなる。
楓は真っ赤になりながら、一つだけボタンを留めた。
「べ、別にいいじゃん……。一朗しかいないんだし……」
「よくない」
一朗が短く言うと、すっと立ち上がり、楓の前に来る。
楓は、えっ、と息を呑んだ。
そして次の瞬間、一朗の指が楓の首元に触れた。
ひんやりした指先が、そっとブラウスの襟を整え、最後の一番上のボタンを閉める。
カチリ。
一朗の手の甲が、楓の鎖骨をかすかに撫でた。
思わず、楓の体がびくりと震える。
「……女なんだから、少しは自覚しろ」
一朗の声が低く響く。
いつもの優しい一朗とは違う、少しだけ男の声。
楓は下を向いたまま、顔を真っ赤にして唇を噛む。
(……だって、一朗しか見てないのに)
心の中で呟いた言葉は、声にはならず、喉の奥で震えていた。
一朗は、一瞬だけ楓を見つめ、それから視線を逸らした。
乱暴に吐き出すように言う。
「……アホ」
それだけ言うと、一朗は台所へ戻っていった。
楓はひとり、閉められたボタンの上からそっと自分の鎖骨に触れた。
まだ、一朗の指先の感触が残っている気がした。
ふと、一朗が楓をじっと見つめる。
「……おまえ、シャツのボタン、開きすぎ」
「え?」
楓は自分の胸元を見下ろした。
白いブラウスのボタンが、二つ外れていて、鎖骨が大きく覗いている。
「無防備すぎだ。アホか」
一朗の声が少し低くなる。
楓は真っ赤になりながら、一つだけボタンを留めた。
「べ、別にいいじゃん……。一朗しかいないんだし……」
「よくない」
一朗が短く言うと、すっと立ち上がり、楓の前に来る。
楓は、えっ、と息を呑んだ。
そして次の瞬間、一朗の指が楓の首元に触れた。
ひんやりした指先が、そっとブラウスの襟を整え、最後の一番上のボタンを閉める。
カチリ。
一朗の手の甲が、楓の鎖骨をかすかに撫でた。
思わず、楓の体がびくりと震える。
「……女なんだから、少しは自覚しろ」
一朗の声が低く響く。
いつもの優しい一朗とは違う、少しだけ男の声。
楓は下を向いたまま、顔を真っ赤にして唇を噛む。
(……だって、一朗しか見てないのに)
心の中で呟いた言葉は、声にはならず、喉の奥で震えていた。
一朗は、一瞬だけ楓を見つめ、それから視線を逸らした。
乱暴に吐き出すように言う。
「……アホ」
それだけ言うと、一朗は台所へ戻っていった。
楓はひとり、閉められたボタンの上からそっと自分の鎖骨に触れた。
まだ、一朗の指先の感触が残っている気がした。