女王陛下のお婿さま
マイラはクラウスの事は彼の名前で呼ぶ。彼が爵位のある貴族の子息だと知ってはいるが、仕事上ではマイラの方が上だからだ。クラウスもアルベルティーナもそれは心得ているので、彼女がそうする事に問題は無い。
そもそも、二人を子供の頃から世話しているマイラには、アルベルティーナもクラウスも文句なんて言えないのだが。
そんなマイラが『気をつけろ』と言うからには、ファビオ王子は相当な曲者なのだろう。アルベルティーナはうんざりして、もう一度ため息を吐いた。
「大丈夫ですよ、アルベルティーナ様! そのような事が無いように、私が食事会に付き添いますから!」
ファビオの方はクラウスが付き添いだという。彼が国から連れてきた従者も数人いるそうなのだが、二人が居てくれる事の方がアルベルティーナには心強かった。
「ありがとう、マイラ」
アルベルティーナがそう言うと、マイラは鏡台の鏡越しに微笑みを返した。
◇
そもそも、二人を子供の頃から世話しているマイラには、アルベルティーナもクラウスも文句なんて言えないのだが。
そんなマイラが『気をつけろ』と言うからには、ファビオ王子は相当な曲者なのだろう。アルベルティーナはうんざりして、もう一度ため息を吐いた。
「大丈夫ですよ、アルベルティーナ様! そのような事が無いように、私が食事会に付き添いますから!」
ファビオの方はクラウスが付き添いだという。彼が国から連れてきた従者も数人いるそうなのだが、二人が居てくれる事の方がアルベルティーナには心強かった。
「ありがとう、マイラ」
アルベルティーナがそう言うと、マイラは鏡台の鏡越しに微笑みを返した。
◇