女王陛下のお婿さま
 ファビオには、腹違いの兄妹が二十人。それだけいるとやはり、諍いが起こるのは必然で。ファビオもクラウスと同じ様な目に遭ってきたという事だ。

「だからという事では無いが……お前にはあの女王陛下との事を、協力して欲しいんだ」

「協力、ですか?」

「ああ、幼馴染みなら知っているだろう? 彼女は何が好きで、どんな事をしたら喜ぶか……とか」

 自分がどうして湯殿へ呼ばれたのか、クラウスはやっと理解する事が出来た。そして協力してくれと言われ、一時迷ったが……

 クラウスは、過った想いを消し去るように何度か頭を振った。

「分かりました、私に協力できる事があれば、何でも申しつけください」

 ……ファビオなら。

 大国の王子という家柄もあるが、お家騒動で暗殺されかけた事を笑いながら話す程の大らかさ。しかしなかなか計算高い所もある。このような男なら、アルベルティーナの婿に申し分ない。

 きっと、彼女の事を守ってくれる……

 クラウスは、アルベルティーナが幸せになれるならそれでいい、そう想っていた。





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