女王陛下のお婿さま

「何でしょう、ルイ王子……?」

「お父上のクリストフ様から聞いたのですが……今度開かれる舞踏会で、僕かファビオ王子のどちらかと婚約を決めるそうですね」

「えっ?! いえ、それは……」

 クリストフには他意も悪意も無かったのだろう。そうなると信じているからきっと、ルイにそう言ったのだ。アルベルティーナは、あれは朝食の席だけの話だと思っていた。だからまさか、ルイに知られてしまうとは思わなかった。驚いてしまい声もない。

 ルイは立ち上がると、アルベルティーナの隣に腰掛けた。そして彼女の両手をギュッと握った。

「是非、僕を選んでください!」

 真っ直ぐに見つめる、真剣な表情。その青い瞳から、アルベルティーナは目がそらせない。

「初めて御目にかかった時、僕は貴方に運命を感じたと言いましたね? それは嘘ではありません。僕は本当に貴方が運命の人だと感じたんです」

「ですが……私は……」

「分かっています……貴方は何も感じてはいないのですよね……でも……僕と貴方は似ていると思うんです」

「似ている……?」

 ルイは静かに頷いた。

「貴方はこの国の女王、僕は……もう国は無くなってしまいますが、今までヘーメル国の第一位王子としてずっと生きてきました。立場は違いますが、上に立つ者として皆の期待や責任、そんなものをずっと背負わされて……」

 そこでルイは一度言葉を止めた。握っている手に、グッと力が入る。

「僕には孤独や寂しさ、辛さ……貴方が感じているそんな気持ちがよく分かるんです」

 ルイの言う通り、そういう方向からみれば、同じなのかもしれない。周りにはたくさんの人がいるのに、時折感じるこの孤独感は……

「ですから……僕を選んでください。僕なら必ず貴方を幸せに出来ます」

 ルイはそれだけ言うと、部屋を出て行った。





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