女王陛下のお婿さま
混乱緊張していた大広間は、再び静寂に包まれた。聞こえるのは、ヨハンの兵士がルイの兵士を捕らえている動きで発せられる、鎧のカチャカチャという金属音だけ。
クラウスはその兵士たちの間を素早く抜け、隣の部屋への扉へ走り寄る。扉に耳をつけたが、中からは何の音も聞こえなかった。
この中にはまだ、アルベルティーナが……
すぐにヨハンにファビオが隣に。兵士が二人、扉の左右に少し距離を取り立つと、ヨハンはクラウスとファビオを下がらせ自分も後ずさり、兵士へ合図をした。
兵士は合図で、扉に体当たり。大きな音を立て観音開きの扉は部屋の内側へ弾けるように開け放たれた。
そこには――
「――ヨハン、まさかお前が来るとはな」
憎々しい言葉を発したのは、長椅子にうつ伏せに横たわるアルベルティーナへ剣を向けたルイ王子。
「兄上! もう全ては終わりました! これ以上抵抗しても無駄です!」
「うるさい! ヘーメルの第一位王子は僕だ! 僕が父上の代わりとなりこの国を治めるんだ!」
まるで駄々っ子のような言い分だが、彼の剣の切っ先はアルベルティーナへ向いたままだ。アルベルティーナも毒のせいで動けない。
ルイとヨハンのじりじりとした睨み合いが続いた。
「貴方に、国は治められないわ……!」
そんな二人に割って入り、荒い呼吸をしながらそう言ったのは、アルベルティーナだった。毒で苦しそうだが、力を振り絞り半身を起こす。
「国は人……その国民をないがしろにして、守れないような王には、誰も付いては来ない……!」
「うるさい! 黙れ!」
クラウスはその兵士たちの間を素早く抜け、隣の部屋への扉へ走り寄る。扉に耳をつけたが、中からは何の音も聞こえなかった。
この中にはまだ、アルベルティーナが……
すぐにヨハンにファビオが隣に。兵士が二人、扉の左右に少し距離を取り立つと、ヨハンはクラウスとファビオを下がらせ自分も後ずさり、兵士へ合図をした。
兵士は合図で、扉に体当たり。大きな音を立て観音開きの扉は部屋の内側へ弾けるように開け放たれた。
そこには――
「――ヨハン、まさかお前が来るとはな」
憎々しい言葉を発したのは、長椅子にうつ伏せに横たわるアルベルティーナへ剣を向けたルイ王子。
「兄上! もう全ては終わりました! これ以上抵抗しても無駄です!」
「うるさい! ヘーメルの第一位王子は僕だ! 僕が父上の代わりとなりこの国を治めるんだ!」
まるで駄々っ子のような言い分だが、彼の剣の切っ先はアルベルティーナへ向いたままだ。アルベルティーナも毒のせいで動けない。
ルイとヨハンのじりじりとした睨み合いが続いた。
「貴方に、国は治められないわ……!」
そんな二人に割って入り、荒い呼吸をしながらそう言ったのは、アルベルティーナだった。毒で苦しそうだが、力を振り絞り半身を起こす。
「国は人……その国民をないがしろにして、守れないような王には、誰も付いては来ない……!」
「うるさい! 黙れ!」