女王陛下のお婿さま
 やがて、固く閉じられていた瞳が薄っすらと開けられた。

「――アルベルティーナ! 大丈夫か?!」

「……ファビオ、王子…………?」

 まだ声はか細い。しかしアルベルティーナは心配そうに自分を見ているファビオに、安心させるように微笑んだ。ファビオはそっと、彼女の頬を撫でる。

「もう大丈夫だ……ゆっくり眠れ……」

 アルベルティーナがもう一度目を閉じると、つと涙が零れ頬を伝った。それはこの一連の騒動の終焉を意味していた。





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