ハイエナ令嬢:幼なじみの年下魔王
0:恋と誤解は繰り返す?(プロローグ)
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ハイエナ(獣エルフ)の娘、キラン・レイレイのファーストキスは親友ミーシャ(ミチア)。幼なじみで一歳年下の人間の娘は、幼き日にはキランを「お兄さん」だと思っていたらしい。
何しろハイエナ氏族は獣エルフの中でもやや生態や習俗が特殊で、遺伝が母系で基本がアマゾネス集団の氏族であるうえに、身体特徴が男性じみている。もちろん女性は女性で、大人になれば外見でわかる。しかし筋肉質だったり毛深かったり、外性器の形が一見は男のアレ(陰核肥大と陰唇の脂肪)。それで、特に子供のときにはぱっと見には男の子と勘違いされることがままある。
「わたしの初恋はキランだよ」
わずか四歳で唇を奪われ、本気の恋心を向けられてびっくりし、そのあとに誤解がとけても、たまにミーシャはキスしてくる。キランとしては複雑だがあながち嫌でない。
話はそれで終わりでなく、似たような出来事が直後と同時進行した。
ミーシャには、父親が違う弟のアレクセイとルチアがいて、つまり魔族混血のクルスニカ兄妹の異父姉でもある。母親のサリーは人間の魔女(魔術の才能があった)で、キランの母親とは盟友だった。クルスニカ兄妹の父親は魔族のレオ・クルスニコ侯爵。
このアレクセイ(アレク)は、小さいときにはキランのことをずっと「同性の兄貴分」だと思っていて、彼女が女だと理解したのは、お互いに十二歳と八歳のとき。パニックと葛藤に陥ったアレクはじきに「キランは僕の嫁」と暗に主張しだす。エルフや魔族は寿命や若い期間が長いのだから、さほどの不都合はない。
最初は笑っていたのだけれど、いつの間にかキランの方もそういう認識や予定になってしまっていた。意識してしまうと、ついジッと見つめて「怖い顔で睨んでいる」と思われたり、「スケベな顔してやがって発情期か」などと言われ、彼の姉ミーシャからアレクの言い分を聞く度に「あちゃー」となる日常が続いている。
そしてアレクも十五歳、キランは十九歳。そのうち押し倒される秒読みなのだろうかと、気が気でなくドキドキし続けている。
ハイエナ(獣エルフ)の娘、キラン・レイレイのファーストキスは親友ミーシャ(ミチア)。幼なじみで一歳年下の人間の娘は、幼き日にはキランを「お兄さん」だと思っていたらしい。
何しろハイエナ氏族は獣エルフの中でもやや生態や習俗が特殊で、遺伝が母系で基本がアマゾネス集団の氏族であるうえに、身体特徴が男性じみている。もちろん女性は女性で、大人になれば外見でわかる。しかし筋肉質だったり毛深かったり、外性器の形が一見は男のアレ(陰核肥大と陰唇の脂肪)。それで、特に子供のときにはぱっと見には男の子と勘違いされることがままある。
「わたしの初恋はキランだよ」
わずか四歳で唇を奪われ、本気の恋心を向けられてびっくりし、そのあとに誤解がとけても、たまにミーシャはキスしてくる。キランとしては複雑だがあながち嫌でない。
話はそれで終わりでなく、似たような出来事が直後と同時進行した。
ミーシャには、父親が違う弟のアレクセイとルチアがいて、つまり魔族混血のクルスニカ兄妹の異父姉でもある。母親のサリーは人間の魔女(魔術の才能があった)で、キランの母親とは盟友だった。クルスニカ兄妹の父親は魔族のレオ・クルスニコ侯爵。
このアレクセイ(アレク)は、小さいときにはキランのことをずっと「同性の兄貴分」だと思っていて、彼女が女だと理解したのは、お互いに十二歳と八歳のとき。パニックと葛藤に陥ったアレクはじきに「キランは僕の嫁」と暗に主張しだす。エルフや魔族は寿命や若い期間が長いのだから、さほどの不都合はない。
最初は笑っていたのだけれど、いつの間にかキランの方もそういう認識や予定になってしまっていた。意識してしまうと、ついジッと見つめて「怖い顔で睨んでいる」と思われたり、「スケベな顔してやがって発情期か」などと言われ、彼の姉ミーシャからアレクの言い分を聞く度に「あちゃー」となる日常が続いている。
そしてアレクも十五歳、キランは十九歳。そのうち押し倒される秒読みなのだろうかと、気が気でなくドキドキし続けている。
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