【 ファン限定 】代償は溺愛.煽情的啼鳥に悪戯
私が勝負に勝てればいいのだと思っていたけれど。
もう前の条件を意識しなくてもいいような気がする。
意外と私も真面目なのかしら。
「ふふ。」
思わず笑ってしまった。
「真歩、まだ今回の報酬を言っていないのに。ずるいよ。」
頬を染め、テレているのか顔を隠して。
何が起きたのか分からない。
「まだ5分スタートしていないのに。今までにない笑顔をくれるなんて。可愛すぎる。」
あぁ、ずっと素直に接してこなかったから。
きっと、これからは。
こんな無意識の穏やかな時間が、普通になっていくんだろうな。
「ごめんね、涼。」
謝った私に、穏やかに微笑み。
私の謝罪も深くは気にしない。
もう少し、怒ったりして欲しいな。
もっと涼のことを知りたい。
「好きよ。だから次、あなたが勝ったら。5分の時間制限をやめませんか?」
今まで間違っていたけれど、私は勉強も頑張ってきたのだから。
私に勝って欲しいと願う日が来るなんて。
思いもしなかった
……甘い代償……