響け!猛毒のグラーヴェ
君には笑ってほしいから
レオンハルトとアントーニョは一晩かけて調べ続けた。そして見つけた答えを伝えるため、アトリエに使用人全員と刑事を呼び出す。

「探偵殿。我々は暇ではないのですが?」

刑事は腕を組みながらレオンハルトを睨み付ける。それに動じることなくレオンハルトは微笑んだ。

「お時間をいただき申し訳ありません。しかし、この殺人事件は必ず解決しないといけませんのでご理解いただけたらと」

「殺人ですって!?この女が殺したってこと!?」

妖精が大声を上げてルシアを指差す。すぐにマルティンが「まだジッキンゲン様は犯人がルシアだと言ってない!」と妖精に怒った声で言った。

「エミリー嬢は犯人をあるもので教えてくれていました」

レオンハルトが棚まで移動し、あるものを掴む。それはレモンだった。アントーニョがじゃがいもと林檎を手にしながら言う。

「エミリー嬢の出身であるメレ国のスラングで、林檎は「魅力的」、そんでじゃがいもは「つまらない」って意味らしい。事務所にメレ国出身の奴がいて教えてもらった」

「そしてエミリー嬢が手にしていたレモン。その意味は「欠陥品」です。あなたが犯人ですよね?ルシア・イグレシアスさん」
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