スパイラル・コード〜内緒でハッカーやってたら、最強アイドルにバレちゃいました〜


 ふわっとした感覚がしたかと思うと、蒼真くんに横抱きにされていた!
 思わず周囲から起こる黄色い悲鳴、私自身も大パニックで何が何だかわからない。


「ちょっ、蒼真くん!?」

「じっとしてろよ」

「待って、自分で歩けるよ!」

「無理するな。結構痛むんじゃないのか」


 ううっ、お見通しだ……。


「あんた、意外と無茶するんだな」

「だって、美織のこと守らなきゃって思ったから」

「親友のためにそこまでするのか」

「もちろんだよ。あんな卑怯な人たちに負けたくないしね」

「カッコいいな」


 蒼真くんはふっ、と優しく笑う。

 またこの笑顔だ、蒼真くんの笑顔を見ていると何故だか胸がキュッとなって、ときめきが止まらなくなる――。


「でも、自分が怪我してたら意味がないだろ」

「うっ、それは……」

「安心しろ、俺がついてる。しえるのことも守るから」

「えっ……」

「今はあんたもStergazeのメンバーなんだ。だから遠慮せずに頼ってくれ」

「蒼真くん……」


 今は表向きはStergazeのマネージャーということになってるし、美織を守るミッションのために協力関係を取っている。

 だから仲間として助けてくれるって意味だと思うけど、そんな風に言われたら意識しちゃうよ――。


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