俺様な忠犬くんはご主人様にひたすら恋をする
18
佐久間さんの案件は、やはり社内で少しだけ騒動になった。
数字の取り違えは、取引先との調整でなんとか収まったらしいけれど、担当として責任を問われたのは事実。
そして、フォローに入った藤堂も、指導を受けたと聞いた。
藤堂が、あの冷静な藤堂が、怒られたなんて。
正直、想像がつかなかった。
それでも彼は何も言わなかった。
いつものように仕事をこなし、少しも崩れた素振りを見せず――ただ、私を見つめるその目だけが、前よりも熱を帯びていた。
一方で、佐久間さんはあれ以来、私にあまり話しかけてこなくなった。
避けているというほどではないけれど、どこかばつが悪そうな雰囲気をまとっていた。
温泉旅行のこと、きっとお互いに触れたくないのだと思う。
私たちは、大人だから。
なにかが終わったとしても、何も言わずに日常を装えるくらいには。
…それが、余計に胸に残る。
藤堂と佐久間。
どちらとも、あの日を境に距離が変わった。
けれど――
ふと視線を感じて顔をあげると、また藤堂と目が合った。
何も言わず、でも目だけがすべてを語っていた。
まだ、終わってない――と。
数字の取り違えは、取引先との調整でなんとか収まったらしいけれど、担当として責任を問われたのは事実。
そして、フォローに入った藤堂も、指導を受けたと聞いた。
藤堂が、あの冷静な藤堂が、怒られたなんて。
正直、想像がつかなかった。
それでも彼は何も言わなかった。
いつものように仕事をこなし、少しも崩れた素振りを見せず――ただ、私を見つめるその目だけが、前よりも熱を帯びていた。
一方で、佐久間さんはあれ以来、私にあまり話しかけてこなくなった。
避けているというほどではないけれど、どこかばつが悪そうな雰囲気をまとっていた。
温泉旅行のこと、きっとお互いに触れたくないのだと思う。
私たちは、大人だから。
なにかが終わったとしても、何も言わずに日常を装えるくらいには。
…それが、余計に胸に残る。
藤堂と佐久間。
どちらとも、あの日を境に距離が変わった。
けれど――
ふと視線を感じて顔をあげると、また藤堂と目が合った。
何も言わず、でも目だけがすべてを語っていた。
まだ、終わってない――と。