あなたに恋する保健室
「氷室さんは弟くんが亡くなってからここの中学に進学していて、入学当時は学校には来れていたと。うーん、だとすると入学してからの環境の変化も何か関係がありそう……」
 いろいろ考えて、久しぶりに頭がフル回転した感覚だった。
 ここ数年間、クリニックで働いていてここまで特定の人に対してあれこれ考える機会もなかったから、疲れてしまった。
 イスに寄りかかって『はぁ』と詰まった息を吐きだし、ふと時計に目をやる。
「わぁっ! もうこんな時間」
 気がつけば時刻は定時を過ぎていた。今日はもう仕事はない。私は急いでトートバッグに荷物をまとめて帰宅の準備をして自宅へ帰る。
 あっという間に過ぎた一日に、帰り道ではぼーっとしてしまった。
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