あなたに恋する保健室
 休日。
 本屋巡りを京ちゃんとしようと思ってカフェで待ち合わせ。
 デートである。
「ふーん、そうなのかぁ」
 あの澤田くんの一件以来、生徒たちのためにもっと勉強しなくてはという使命感に駆られていた。
 そこで、今やるべきことは養護教諭二種免許から一種免許にランクアップすることだと思い、情報収集を始めていた。
 どうやら大学で特定の科目を受講する必要があり、全学か通信にするかでも学校が違うらしい。
「何してんの?」
「あ、京ちゃん。今、養護教諭の免許、二種だから一種にしたくて。どうしたらいいか調べ中」
「ほんと、がんばり屋だな」
「ありがとう。これからも続けるなら、ちゃんと養護教諭について勉強しなきゃなって思ったからね」
 今までは謙遜してしまうことが多かったけど、だんだん言葉をそのままありがたく受け取ることも増えてきた。
「ん、何……?」
 私の正面に座り、じっと見つめてくる。
「今日のメイク、可愛いね」
「わっ……! あぁっ!」
 バレただろうか。
 いつもよりラメが大きめのアイシャドウにしたこと。上品だけどラメが煌めいて可愛らしさもあってプライベート用に新しく買ったものだった。
 私はアイスコーヒーを飲んで恥ずかしさを紛らわす。
「ふふ、可愛いな」
 京ちゃんは爽やかなスタイル。
 グレーの無地のTシャツにネイビーのスラックス。髪型はいつもと違って、おでこ出しのスタイル。これもこれでカッコイイ……。
「京ちゃんこそ、かっこい……」
 私がそう言いかけた時である。
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