姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

***

でっっっっか!!!


目の前の大豪邸に開いた目と口がふさがらない。雪が積もる冷たい真冬の空気が身に染みた。


モダンで洗練された、どこかのリゾート施設のような大豪邸。

お手伝いさんと思しき人たちが私たちの荷物を運び入れていく。

広瀬家の日本庭園みたいな由緒正しい感じとは違うけど、これはこれでワンダーランドだ。


「聖の家の別荘って、何年か前のパーティー振りか?」

「そうだねぇ。その時は別に顔見知り程度だったね、俺ら。今回は自宅みたいにゆっくりしてってよ~。」

あははーとなんの感動もなく雪道を歩いて中へ入っていく榛名聖と広瀬真。

しゃべってる内容が異次元過ぎて意味が分からないのよ……。

思考停止状態の私の隣で、近江涼介も榛名邸を見上げている。まぁ、こちらは相変わらずの無表情なんだけど。

「俺ん()の別荘の方が大きいってかぁ?」

下からひょっこりと覗くように少し体を折り曲げて近江涼介の視界に入り込む。

「………なんだそれ。」

「べっつにぃ~。お金のあるなしで人間の価値って決まらないから!人間性とか、カリスマ性で決まるから!」

「なら俺の圧勝だな。」

「なんだとー!?」

豪邸の衝撃と淡々と刺してくる近江涼介に応戦したのとで、すっかり緊張もほぐれてくだらない口論をしながら私たちも家の中へと入っていった。



< 151 / 874 >

この作品をシェア

pagetop